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My Diary

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Skying

Skying 
                
キーン、コーン、カーン、コーン・・・。
キーン、コーン、カーン、コーン・・・。
いつものように学校のチャイムが鳴っている。下校の時間だ。
俺は歩いていく。後ろを振り向けば学校が大きい存在に見える。
俺は中学2年生の青山 銀二。普通の中学生だ。
勉強も普通。
成績も普通。
性格も普通。
部活もそれなりに一生懸命やっている。
そんな平凡な俺には唯一欠けているものがあった・・・。
それは・・・・・・




「銀二!そんなところでつっ立ってんじゃねぇよ!」
「ご・・・ごめん」
ドン!
「どこ見て歩いてんだボケ!」
「すいません・・・」
「まったく、お前は平凡すぎてつまらんし邪魔だ!」
「・・・・・・」
ある日の放課だった。といってもいつもそんな感じか。
何言ってんだあいつら。全部僕のせいにして・・・!
そんな少々イジメ気味だったが、俺はあまり気にしていなかった。



俺にははっきりとした友達・・・いや、親友がいない。
俺はなんとか作ろうとするけど、みんなが邪魔をする。
でも・・・仕方ないか。俺は、中1の時に転校してきたんだし。
でも、さすがに友達が1人もいないとさみしいよなぁ。
でも・・・いる。
それは人ではない。
でも、俺にとっては友達だ・・・・・。






「銀二ってさ、放課とかよく窓際にいるよねー」
「まぁいいんじゃねーの?おとなしくしてれば邪魔にもならないし」
「それは言えてるー!」
女子生徒3人が俺が窓際にいる時に言った言葉だった。
俺は反発もできなかった。言っても無駄だからだ。
俺の友達は、












「この無限の青に染まった空だから・・・。」
上を見上げればいつも空が何か語りかけてくる気がする。きっとね。
でも、俺はこのままじゃ自立できないままダメ人間になってしまう。
俺は自立できるような人間じゃないかもしれない。
でも・・・自立してみせる。
俺はとりあえず僕の評価をひそかに聞いてみることにした。 








まずどうやって聞けばいいのか・・・考えてない。
まずそれを考える・・・が・・・いい案が思いつかない。
そうだなぁ・・・担任の先生にでも頼んでみるかな。






「え?自分の評価が知りたい?う~ん・・・」
「なんとかお願いできませんか?」
「むぅう・・・分かった。心のアンケートみたいな形で出そう」
「ありがとうございます」
話はスムーズに進んだ。アンケートの結果が気になるけど、
明日になればわかるだろう。俺は家でじっと待った。










次の日―・・・。
「はいじゃあ5時間目の授業はここまで!」
「え?先生、まだ10分前ですよ?」
「その事について今から話すんだよ。では、いまからアンケートをとります。ちゃんと書けよー」
クラスのみんなにアンケートの用紙が行き渡った。
俺も一応貰っておいた。バレるとまずいということで・・・。
「それじゃ、一切雑談せずにやれよ!」
突如に行われた。    




下校時・・・
「先生、どうでしたか?」
「う~ん・・・バラバラだな。いいことも書いてあるし、
悪いことも書いてある」
「まぁ、とりあえずその用紙頂けませんか?」
「あぁ、いいよ」









いいこと?悪いことなら分かる気もするけど、
俺のいいところなんてあるんだ。
どんなのがあるんだろう?順番に見てみるか・・・。
「頭がいい。というか必ずテストで50点以上はとる」
当たり前だろ。
「掃除はちゃんとやる方?」
やる方ってなんだよ。
「窓際にいる時の姿が面白い」
どういう神経してるんだこいつ。
「先生の言うことをちゃんと聞く」
お前が聞いてねぇだけだろ。
「先生の言うことだけはちゃんと聞く」
いいところじゃないじゃん。
「嘘はつかない。だけど信じられない」
結局どっちなんだよ。
「1年とか3年の人には優しい」
お前らが優しくしてくれないんだよ。
「部活はきちんとやる」
最近、そうでもないけど。
「はさみを貸してくれたことには感謝」
幼稚くさっ!
「のりを貸してくれたことだけは感謝」
だけはってなんだよ。
よく考えると・・・いや考えなくても素直に喜べない。
まぁ、僕の存在はその程度のものだったってことか。
悪い方はどんな感じなんだろう。
「無愛想。冷血」
好きでやっているわけじゃない。
「たまにキレる」
・・・ほっとけ。
「邪魔な存在」
どういう意味だよ。
「黄昏てる」
あぁ・・・もう見るのヤダ。
今日は早く家に帰って寝よう。















翌日・・・

今日は久しぶりに雨が降った。
空が見えない。
みえるけど暗い。
今日も学校か。

















下校時・・・
今日も終わりか。
なんだか遅いようで早いような気がする。
俺、どうしたんだろう。
こんな事なかったのに・・・
とにかく、今日も家に帰って早く寝よう・・・。
「おーい、銀二!今日も部活サボるのか?」
部活?部活・・・。
あ、思い出した。
昨日そのまま帰ったんだった。
なんか学校が早く終わるなーと思ったら、
それを忘れてたなぁ。
「忘れてた」
「先生が怒ってるぞ」
「・・・」
部活・・・行こう。















体育館ー・・・

有数の卓球台。
その上を跳ねては飛ぶピンポン球。
双方の掛け声が交え、この冬の中でも
暖かく感じられるようだ。
俺は隅で雑用。
「銀二!俺と勝負だ」
振り返ると、2年生がラケットを持って構えている。
「あんた誰?」
「ぶぶっ」
率直な質問だった。だって知らないもん。
「お前な・・・!まぁいい、ラケット持て」
「準備オーケー」
「じゃあやるか」
まぁいいか。
ここでストレス解消しようか。















「10-0」
くそ・・・もうマッチポイントかよ。
同じ2年なのに・・・戦力差がありすぎる。
俺、どんだけサボってたんだろう。
覚えてない。
いや、覚える必要がなかったんだろう。
そんな事・・・。
「これで終わりだ!」
サーブがきた。
バウンド。
とりあえず当てる。
バウンド。
・・・ん。あの構えは・・・。
スマッシュ!?
「っしゃあ!」
あぁ・・・もうダメだ。
と、思ったらあれ?
球の軌道が見える?
打てる!
「それっ!」
スマッシュをスマッシュで返した。
「なにぃ?」
やっと1点・・・。
と思ったら、
「アウトだ」
え・・・。
しまったー。力加減考えてなかったー。
「スマッシュを返すなんて・・・」
「お前、本当はうまいんだからちゃんと部活こいよ」
「あ・・・うん」
それが今年、初めてほめられた言葉かな。
俺、なんか気が抜けてたのか。
大事な事を忘れてるよ・・・。
でも・・・。
それがなんなのかわからない。
















帰り道、俺は空を見上げた。
雨が止み、虹がかかっていた。
なんてきれいなんだろう。
青々しい空に虹がかかっているなんて。















空に夕日が現れた。
おっともうこんな時間か。
早く帰らなきゃ。
と、そこに知っている車が通った。
「あ、母さん」
「銀二?今から買い物行ってくるから菓子でも食べててー」
「分かったー」
車は過ぎ去った。
にしても今頃、買い物行くなよなぁ。
さぁ、帰ろう。
明日もまた、がんばろう。
  ―Next Skying is・・・―

         あとがき
小説第一部終了です。
ここまで読んで下さってありがとうございました。
こんな小説に感想をいただけたら幸いです。
次回は500アクセス突破したところでまた続編書きますので。
今後とも「skying」よろしくお願いします。-ガイ-






















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